【管理栄養士が解説】冷凍でどれだけ長持ち?食品別“保存期限”と栄養の変化まとめ

2025/12/09

冷凍すると栄養が減る、というイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。
しかし、冷凍保存することで賞味期限を大幅に延ばすだけでなく、食品によっては栄養価を高める効果もあるのです。

この記事では、管理栄養士のゆかりさんに食品ごとの冷凍保存で延ばせる賞味期限と、栄養素の増減について紹介してもらいます。

サンキュ!STYLEライター。フリーの監理栄養士として、栄養指導、料理教室講師、セミナー講師などでの活動から...

>>>ゆかりの記事をもっと見る

「賞味期限」とは?

出典:Adobe Stock

「賞味期限」とは、おいしく食べられる目安の期間のことであり、多少過ぎても安全性に問題がない場合が多いです。

一方で、似たような言葉に「消費期限」があります。これは、安全に食べられる期限であり、過ぎたら食べない方が良いものです。

冷凍保存は、食品内の水分を凍らせることで細菌の増殖を抑え、「賞味期限」を大幅に延ばす手段として役立ちます。

冷凍保存で延ばせる「賞味期限」の目安

出典:Adobe Stock

まとめ買いをした場合や、表示されている賞味期限内に食べきれなそうな場合、食品を冷凍することでつぎのように賞味期限を延ばすことが期待できます。

・肉……1カ月。ただし、ひき肉は2週間。
・魚介類……2週間。ただし、下味をつけたものは1カ月。
・野菜……1~2カ月。ただし、水分が多いものやカットしたものは期限が短くなる傾向。
・果物……1カ月。ただし、ブルーベリーは6カ月といわれることも。
・きのこ……1カ月。
・ごはん、パン……2週間。ただし、ごはんは1カ月といわれることも。

これらは、家庭用冷凍庫(-18℃以下)での保存を想定しています。

なお、頻繁に冷凍庫のドアを開け閉めしたり、食品の密封が不十分だったり、そもそもの賞味期限が切れる直前に冷凍した場合には、これよりも短くなることが考えられます。また、冷凍前の食品の鮮度や保存方法によっても左右されるので、ご注意ください。

冷凍保存で栄養素が減りやすい食品とその割合

冷凍保存によっていくらか「賞味期限」を延ばすことができますが、一方で特定の栄養素が減少してしまうことがあります。

とくに、ほうれん草や小松菜などの葉物野菜は、生のまま冷凍するともともと含まれている酵素が働いてビタミンCが分解されやすいことが知られています。また、その他の野菜についても、解凍時に水分(ドリップ)とともにビタミンCやそれ以外の水に溶けやすい栄養素が流れ出やすくなります。

これらは、野菜の種類にもよりますが、20~30%程度減少することが多いようです。
果物も同様で、ビタミンCなどが15~25%ほど減少するといわれています。

ちなみに、肉ではビタミンB1が10~20%、魚介類では青魚に多く含まれるDHAやEPAといった脂質が10~15%減少するという研究結果があります。

冷凍保存で栄養素が増える食品とその割合

冷凍保存で栄養素が減る場合もありますが、一部の食品では増えることもあるのです。どのようなものがあるかは、つぎのとおり。

・きのこ……生のまま加熱したときと比べ、冷凍してから加熱するとグルタミン酸などのうま味成分が1.5~3倍増加。
・豆腐……解凍後、水分が抜けて凝縮されるのでたんぱく質が7倍増加(30%水分減少の場合)。
・にんじん、かぼちゃ……β-カロテンが1.3~1.5倍に増加。

ちなみに、ブルーベリーなどに含まれる紫系の色素成分アントシアニン、トマトなどに含まれる赤系の色素成分リコピン(リコペン)については、含有量そのものは大きく変化しないとされています。
ただし、冷凍と解凍によって細胞壁が壊れ、体内への吸収率が高まることがあるため、ウェブサイトによっては増加すると表現されることもあります。

「賞味期限」をできるだけ延ばす冷凍保存のポイント

出典:Adobe Stock

食品を冷凍するといっても、買ってきた袋のまま冷凍庫に入れてしまうと賞味期限が短くなってしまうことも……。

そうならないために、上手においしさをキープする冷凍保存方法を覚えておきましょう。

空気に触れないように密封する

冷凍保存中の食品であっても、空気に触れることで乾燥し、酸化が進んでいきます。すると、食感や味が劣化してしまう原因になるのです。

それを防ぐために、できるだけ空気に触れないようにすることが大切です。

食品用ラップを密着して巻くだけでなく、さらにジッパー付きの保存袋に空気を抜いて閉じるのがおすすめです。また、容器に入れる場合はできるだけ空間ができない大きさを選ぶか、隙間が少なくなるように詰めておくといいでしょう。

ちなみに、保存袋は「冷凍用」の製品を選ぶと、厚みがあって丈夫なだけでなく、ニオイ移りや冷凍焼けを防いで賞味期限延長に役立ちます。

早く冷える工夫をする

冷凍庫に入れる際は、必ず食品の温度が下がってから入れるようにしましょう。
温かいまま入れてしまうと、庫内の温度が上がってほかの食品の温度も上がってしまうからです。

そのほかの理由として、食品を凍らせる速度が速いほど賞味期限を延ばすことができ、遅いほどその効果を期待できなくなることがいえます。

できるだけ早く凍らせるために便利なのが、金属製のトレーや食器などです。これらにのせて冷凍することで、熱伝導性の高さから、素早く食品の温度を下げてくれるのです。

なお、食品メーカーでは急速冷凍を行っているため、より長くおいしさを保つ工夫がされています。

ドアの開閉は最低限にする

冷凍保存で延ばせる「賞味期限」の目安で紹介したとおり、ここで示した期限は-18℃以下で保存した場合に言及しています。

家庭用の冷凍庫では、ドアを長く開けていたり、頻繁に開け閉めしてしまうとすぐに温度が上昇してしまいます。そのため、できるだけ開閉時間や回数を抑えることが大切です。

また、温度変化を受けにくいように、賞味期限が短いものほどできるだけ奥に入れたり、スカスカよりもある程度詰め込んだ状態にしておくのがおすすめです。

再冷凍はしない

冷凍したものを解凍すると、ドリップが出るのは先述のとおりです。このドリップとは、もともと食品の中に含まれていた水分なので、冷凍前とは同じ状態ではなくなっているのです。

さらに、冷凍を繰り返すとドリップが再び発生したり、それに伴ってうま味や風味などが抜けやすくなってしまうことに。

そのため、冷凍前に使い切れる量で小分けし、一度解凍したものは早めに調理して食べるようにしましょう。

まとめ

ここで紹介したポイントを抑えたとしても、食品の状態によっては劣化が早まる可能性もあります。

目安の期限内であっても、冷凍した食品の乾燥が進んでいる、色が変化している、霜が極端についているなどの変化が見られた場合は、食べられる状態かを確認して早めに食べきるようにしてください。

冷凍保存は、「賞味期限延長」「栄養アップ」などのメリットがあります。上手に活用することで、食品ロス削減や健康増進効果に役立てていきましょう。

参考サイト

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND