炊飯器を使う際、光熱費や水道代を節約したり時短したりしようとしてやっている行為が、意外なNGになっていることがあります。やり続けてしまうと、炊飯器の寿命を縮める場合があるほか、食中毒につながることも…!?
今回は、一般家庭での料理代行を年間数十件担当している出張料理人の植松愛実が、炊飯器のNG行動4選とその理由、さらにはおすすめの解決法もあわせて解説します。

【NG1】炊けてすぐ保温を切る
炊飯器でごはんを炊いたあと、できるだけすぐに保温機能を切っておいたほうが、電気代の節約にもなるし、ごはんを早く冷まして食中毒も予防!と思っていませんか?じつは、ごはんに特有の食中毒の菌は常温で急速に繁殖してしまうため、保温機能を切ったほうが食中毒の危険性が高くなるのです。
そのため、数時間以内に食べるのであれば、保温は切らずに高温状態を保ちましょう。もしそれ以上あとに食べるのであれば、冷凍しておくのがおすすめ。冷蔵でも菌の繁殖はおさえられるのですが、冷蔵したごはんは味が落ちるので、冷凍のほうがあとでおいしく食べられます。
【NG2】夜使って朝洗う予定のお釜に水を張っておく
晩ごはんに使った炊飯器のお釜、夜のうちに洗うのがしんどい…ということもありますよね。そんなときは、お釜に水を張っておいて、一晩放置すれば翌朝に洗うときにすぐ汚れがとれて時短!と思っていませんか?
じつは、そんなに長時間、水につけておくと、お釜のなかに雑菌が多く繁殖してしまうことに…。水につける時間は、せいぜい1時間以内にしましょう。夜でも気温の高い夏はとくに注意です!
【NG3】お釜をボール代わりに
お釜に水を張って置いておくとき、そのなかにお茶碗などほかの汚れた食器を入れておけば、同じ水の量で複数のものを水につけられるから水道代節約!と思っていませんか?じつはこれもNG行為です。
お釜の内側はキズつきやすく、ほかの食器や調理器具を入れることで、寿命を縮めてしまうことがあります。水よりお釜のほうが当然ながら高価ですから、お釜は大事に使いましょう。
【NG4】調理機能を確認せず炊飯器で調理
最近は、炊飯器にお米以外の食材を入れて、スイッチひとつで料理が完成する「ほったらかし調理」をする人が増え、関連レシピもインターネットでたくさん手に入るようになりました。でもじつは、すべての炊飯器でそういった調理をしてよいわけではありません。
自宅の炊飯器に、調理機能がついていることを確認しましょう。もともと調理機能がついていない炊飯器でお米を炊く以外のことをすると、故障や事故の原因になります。
また、調理機能がある炊飯器であっても、油を多く使う調理や、とろみのあるメニューはやはり故障などにつながるおそれがあるため避けましょう。
炊飯器のNGを避けて正しく使おう
炊飯器は多くの人がほぼ毎日使う身近な家電ですが、身近すぎるがゆえに、やりがちなNGが隠れていることがあります。スイッチひとつで使えてしまうので今まであまり正しい使いかたを気にしていなかった人もいるかもしれませんが、ぜひこの機会にチェックしてみてくださいね。
■執筆/植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。誰かに教えたくなるお天気の豆知識や災害に備えるコツ、「食」に関する情報を中心に発信中。
編集/サンキュ!編集部