じっとしていても汗ばむ夏の暑さ。熱中症を防ぐためには、こまめな水分補給や休息が欠かせませんが、室内環境を整えることも非常に重要。じつは、家の掃除や整理収納を見直すだけで冷房効率がアップし、体感温度もぐっと下げることができるんだとか。
そこで今回は、夏を快適にすごすための、掃除と整理収納の観点からできる3つのアイデアをご紹介。教えてくれたのは、アクティア株式会社が提供する家事代行サービス「カジタク」に所属し、年間約500件のお仕事依頼をこなしている家事のプロフェッショナル、西田美保さんです。

1.エアコン・扇風機の「働き」を助けて、冷房効率を最大化
夏場の冷房効率は、エアコンや扇風機などの機器がどれだけ本来の性能を発揮できるかに左右されます。フィルターや羽根にほこりがたまると、風の通り道がふさがれてしまい、効きが悪くなってしまうのです。
風が弱くなるだけでなく、設定温度まで冷やすために余計な電力がかかり、電気代が上がる原因にもなります。
【実践アイデア】
・エアコンのフィルター清掃
2週間に1回を目安に、掃除機でフィルターのほこりを吸い取りましょう。汚れがひどい場合は、中性洗剤で水洗いし、しっかり乾かしてから取りつけることが大切です。このひと手間で冷房効率が格段にアップします。
・扇風機やサーキュレーターの羽根掃除
羽根に付着したほこりは、風の勢いを弱める原因に。こまめに拭き取ることで、風がスムーズに送られ、部屋の空気を効率よく循環させられます。空気が動くだけでも、体感温度を1〜2℃下げる効果があります。
2.窓まわりの整理と掃除で、熱の侵入をブロック
夏の熱気の多くは窓から入ってきます。そのため、窓まわりを整えることが、室内の涼しさを保つカギになります。
【実践アイデア】
・窓ガラスと網戸の掃除
汚れた窓ガラスは熱を蓄えやすく、網戸がほこりで目詰まりすると、風のとおりが悪くなります。窓はこまめに拭き、網戸はブラシや掃除機でほこりを取り除きましょう。
・遮熱、遮光アイテムの活用
日差しが強い時間帯は、遮光カーテンやブラインドを閉めて熱を遮断しましょう。このとき、窓まわりが散らかっているとカーテンやブラインドが完全に閉まらず、隙間から熱が侵入するので、整理整頓も大切です。また、遮熱フィルムの貼りつけや、グリーンカーテン(植物を窓際で育てる)も、熱を和らげる手段として有効です。
3.ものを減らして空気の流れをつくり、体感温度を下げる
床や壁際にものが積まれていると、空気の流れがさえぎられ、涼しい風が部屋全体に行き渡りにくくなります。
エアコンや扇風機からの冷風がものにぶつかって滞留すると、部屋の一部だけが冷えず、快適さが損なわれてしまいます。
【実践アイデア】
・床置きのものを減らす
床に直接ものを置くのは極力避け、不要なものは処分し、棚やクローゼットに収納しましょう。床面積が広がるだけで、空気がスムーズに移動し、部屋全体が均一に冷えるようになります。
・家具の配置を見直す
大きな家具が空気の流れを遮っていませんか?とくに、エアコンの風が家具にぶつかっている場合は要注意です。必要に応じて家具の配置を少し調整し、風のとおり道を確保しましょう。また、クローゼットや押入れ、ベッド下など、見えない収納スペースも詰め込みすぎないことがポイントです。中に熱がこもりにくくなり、部屋全体の空気の循環が改善されます。
暑さ対策は「暮らし方の見直し」から
掃除と整理収納の工夫によって、熱中症リスクの軽減、体感温度の低下、さらには電気代の節約にもつながります。見た目のスッキリ感だけでなく、健康にも家計にもやさしい「涼しい快適空間」をこの夏ぜひ取り入れてみてください。